社会不安障害 Social Anxiety Disorder(SAD)または、社交恐怖 Social phobiaという言葉を聞いたことがありますか?
大勢の人を前にして話したり、会議などでプレゼンテーションをしたり、また偉い人(学校の先生、上司、医者)や良く知らない人と話をする、といった状況に自分がおかれるときに緊張したり不安を感じます。
社会不安障害の人はこの不安を普通の人よりも強く感じ、こういう状況を回避しようとして日常生活に支障をきたしてしまう病気です。
症状としてはある特定の状況や人前で何かをするときに、緊張感が高まり、発汗する、声が出ない、手足が震えるなどがあります。
私が不安や恐怖を感じたのは、人前で電話をかける、人前で食事をする、人前で字を書く、みんなの前で発表する、試験を受けることでした。
そしてそれをすると想像しただけでも、動悸がしたり息が苦しくなりました。

自分の症状を誰にも相談できずに中学生になりました。相変わらず学校と先生に恐怖を感じ、また小学校の時のように同じ症状が現れるのではという不安が常に胸にありました。そのため周囲に不信感を持たれないようにそういった状況を回避していました。
授業中は手を上げない、発言しない、注目をあびない。
中学校、高校を通して6年間これを貫き通しました。
仲の良い友達とは普通にしゃべれるので私が不安や恐怖心を持っていることを誰も知らなかったと思います。
心の中では、内気な性格がこんな症状を起こしていると信じていました。
私はダメ人間というレッテルを貼り、いつもコンプレックスを抱え生きていました。いろいろな事にチャレンジできないみじめさ、人に本当のことを言えない苦しさ、あふれ出る苦しい感情。
私は自分の中にある弱さ、汚さ、醜さ、ずるさを全部切り離したいとずっと思っていました。それを持っている自分が嫌いで苦しかったのです。
なによりも、自分を自由に表現できない悲しみに心が疲れてしまっていました。

今の私も弱くて汚くて醜くてずるい部分を持ち合わせていますが、そんな自分が好きです。
私たちは崇高な愛とずるい悪の両面を持っています。
心は両面どころか多面体でできていて
どの面があったとしても人間は完璧だと私は思っています。
でもその頃の私には到底そうは思えなかったのです。

大人になる私の中で不安は静かに進行していました。(つづく)

 

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